五十八景「亀戸天神境内」の絵の太鼓橋に、モネは大層感銘を受けて、ジヴェルニーに実際の太鼓橋があるお庭を作って、そのお庭を何度も描きました。 つまり、庭を作っちゃわないと、どーしようもないんだよ!という強い啓示を受けたが故に、実物をつくって、それを絵に描くという強迫観念!浮世絵からのもの凄いインスピレーションです! ゴッホが、僧侶にならんと、この絵描けないよ!と思ったのと同じくらいの激情!! この庭、僕も十数年前に行きました。パリから1時間くらいかかるのに、広い庭園に観光客があふれていました。そして、その混雑もごもっともという、この世の天国のような美しいお庭でした。 今回の展覧会では、モネの作品と五十八景を隣同士で展示しています。 構図の手前に、木のようなものが画面を分断しているんですけど、さすがにモネは、その1本の手前の何かを描くことまでの勇気はなかったのかしら。太鼓橋だけを1つテーマにして描いていました。 私の模写版は…と言いますと、モネの筆致をスキジーワークで再現するのは大変でした。又、村上の自画像を画面右下に描きました…溺れているみたいですね。 結果的にその太鼓橋の絵は、日本の美術館(ポーラ美術館)が購入されたりして、日本人好みに帰結しているという、なんというか不思議なご縁でございますと。そういったものですね。 ______________________ Gagosian Gallery, West 21st Street, New York 『JAPONISME → Cognitive Revolution: Learning from Hiroshige』 May 8–July 11, 2025
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