【住宅価格は過去最高、売買は停滞…高金利がもたらす二極化】 販売は低迷、価格は最高値—— 米住宅市場のねじれがさらに深まっています。 トランプ大統領も「金利が高すぎる」と連日批判。 最新データをもとに、この異様な状況を紐解きます👇
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zerohedge23.7. klo 22.08
US Existing Home Sales Dip Back Near 15 Year Low In June As Prices Hit Record High
6月の米中古住宅販売(MoM)は-2.7%。予想(-0.7%)を大きく下回りました。 年率換算では393万件と、過去15年のボトム圏を抜け出せず。 一方で前年同月比では±0.0%。 数量面では「底ばい圏での停滞」が続いています。
価格面では全く逆の動き。 6月の米中古住宅の中央値は43.5万ドルで、過去最高を更新。 前年比+2.0%。 在庫は少し戻りつつありますが、需要を大きく上回る供給不足が価格を支えています。
NARのチーフエコノミスト Lawrence Yun 氏は次のように述べます: 「何年にもわたる住宅供給不足が、価格の高騰を招いている。新築供給も人口増に追いついていない」 「高金利が住宅販売をサイクルの谷間に閉じ込めている」
Yun 氏によれば、6%のモーゲージ金利なら約50万件の販売増が見込まれるとの試算も。 ゴールドマン・サックスも指摘: 既存モーゲージ保有者の87%が「今より低金利」で借りており、2pt以上下回る層も多数。 → 買い替え需要が完全に凍結している。
金利の重さは、別の数字にも表れています。 6月に「リスト価格超え」で売れた物件の割合は21%。 5月の28%から急低下。 高値がついても、実需がついてこない現実が露呈しています。
こうした状況を背景に、トランプ大統領は「パウエルは利下げが遅すぎる」と激しく批判。 「今の金利は3pt高すぎる。利下げしていれば年間1兆ドルの節約になった」 と、発信を強めています。
まとめ: ・中古住宅販売は記録的低水準 ・価格は供給不足+買い替え抑制で最高値更新 ・政策金利の高さが市場の流動性を奪っている 住宅市場の回復には、需給だけでなく「金利の正常化」も欠かせないと感じます。
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